2010年10月31日

AT THE EDGE OF TIME / BLIND GUARDIAN

〈2010年感想 7枚目〉
アット・ジ・エッジ・オブ・タイム
アット・ジ・エッジ・オブ・タイム
  • アーチスト: ブラインド・ガーディアン
  • 発売元: ビクターエンタテインメント
  • 価格: ¥ 2,700
  • 発売日: 2010/08/18

01. Sacred Worlds
02. Tanelorn(Into the Void)
03. Road of No Release
04. Ride into Obsession
05. Curse my Name
06. Valkyries
07. Control the Divine
08. War of the Thrones
09. A Voice in the Dark
10. Wheel of Time

 ドイツ産ジャーマン・メタル・バンドの9thアルバム。ドイツ産ジャーマン・メタルという表現に違和感はありますが,メロディック・パワー・メタルやシンフォニック・メタルというよりもBLIND GUARDIANにはジャーマン・メタルという呼び方が一番似つかわしく思います。

 相変わらず,ファンタジィ小説を意匠とした楽曲が多い彼らの作品ですが,マイケル・ムアコックの〈エターナル・チャンピオン〉に加えてロバート・ジョーダン〈時の車輪〉やジョージ・R・R・マーティン〈氷と炎の歌〉に発想を得た楽曲が見られることに時の流れを感じさせます。といっても,両作ともに未読の為に論評することは出来かねるのが残念ではあります。ライナーノーツでハンズィ・キアシュが語るように確かに初期作『SOMEWHERE FAR BEYOND』を想起させる作品に仕上がっていますが,印象はかなり薄い楽曲ばかり。垢抜けた感じは随所に見られるのだけど,それが却って煽情性を産み出していた攻撃性や迫力を失っているように思えてしまいます。小さくまとまった楽曲ばかりに感じてしまうのですよね。それでも迷走していた感のある前作に比べれば大分好みではありますが。ただ,やっぱり大仰で劇的な初期のBLIND GUARDIANには及びもつきません。決して悪い作品ではないと思うのだけど,中途半端な物足りなさを感じてしまいます。初期作品の抒情性に満ちた劇的な楽曲に魅せられた身としては残念です。まあ,でも,この初期作品への回帰が次回作に対する期待に繋がるのも事実。遂に実現したオーケストラとの共演も含めて次を待ちたいと思います。

 印象の薄い曲が多い中で目を引くのは,やはりオーケストラとの共演曲#1と#11。ちなみに9分を越える大作#1はコンピュータ・ゲーム『SACRED2』に提供した楽曲。ゲーム中で彼らのライヴを楽しむこともできます。ライヴ時はどのような演出を見せるのか楽しみです。また,如何にも彼ららしい幻想的な雰囲気が漂う#5もお気に入りの一曲。冒頭の展開が既に好み。吟遊詩人の奏でる旋律に酔います。起伏に満ちた重厚な#4も初期作の面影があって割と好き。#6も悪くないですね。

 前作が好みでなかったこともあって,それ程期待していなかった作品ではありますが,その分というか予想を良い方に裏切ってくれた作品でした。上述のとおり,確かに物足りなさもあるのですが,それでも初期作への回帰傾向を感じただけでも収穫はありました。オーケストラとの共演は素晴らしかったので,全篇この趣向も期待したいものです。BLIND GUARDIANであるが故に不満は感じますが,それでも同種の凡百のバンドとは比較にならない完成度の作品だと思います。

 余談。6thアルバム以降,4年周期で新作の発表となっています。記念すべき10thアルバムは2014年となるのでしょうか。待ちきれないなあ。
posted by 森山 樹 at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
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