2010年03月14日

WE AER THE VOID / DARK TRANQUILLITY

〈2010年感想 5枚目〉
WE ARE THE VOID
WE ARE THE VOID
  • アーチスト: ダーク・トランキュリティ
  • 発売元: A&A
  • 価格: ¥ 2,625
  • 発売日: 2010/03/10

01. shadow in our blood
02. dream oblivion
03. the fatalist
04. in my absence
05. the grandest accusation
06. at the point of ignition
07. her silent language
08. arkhangelsk
09. i am the VOID
10. surface the infinite
11. iridium
12. Star Of Nothingness(Bonus Track)
13. Out Of Gravity(Bonus Track)

 スウェーデン産メロディック・デス・メタル・バンドの9thアルバム。脱退したマイケル・ニクラソン<b>に代わって,DIMENSION ZEROのダニエル・アントンソンが加入しています。

 頑ななまでに貫くメロディック・デス・メタル・バンドとしての矜持が強烈に窺える作品です。路線を転向するバンドが多い中で徹頭徹尾メロディック・デス・メタルに拘る姿勢が素晴らしい。今やこの音楽分野における随一の存在と言っても過言ではないように思えます。それ故に音楽的な意外性はありませんが,いつもに増して極めて高品質の作品を作り上げてきました。絶望的なまでの陰鬱さと凶暴な咆哮の中に垣間見える異形の美がたまらなく涙腺を刺激します。過去の作品の延長線上にあることに間違いはありませんが,より進化,あるいはより深化を遂げているので全く気になりません。美しくも儚い暗黒の旋律が産み出す陰翳に満ちた雰囲気に心を酔わせるのが大変に心地よい。全般を通して沈鬱な音調に終始しています。己の音楽をより先鋭に洗練する匠の芸には脱帽せざるを得ません。気になるのはミカエル・スタンネ<Vo>の声に翳りが見えること。単なる不調であれば問題はないのですが。

 相変わらず,所謂捨て曲というものは存在しません。似たような曲が多いのは難点ではありますが,それでもメロディック・デス・メタルの範疇における多彩な楽曲を提供してくれています。お気に入りは狂おしい程の哀しみに満ちた#5。中盤でのミカエル・スタンネのクリーン・ヴォイスが実に効果的。死に歩む静謐が心に響きます。沈んだ重厚さが魅力的な#11も実に良い。劇的で壮大な#8は目まぐるしく変化する展開が素晴らしい。綺麗に纏まった大作志向の曲です。勿論,典型的なメロディック・デス・メタル曲の#3と#4もお気に入り。やはりこの手の曲が欠かせません。

 個人的には大絶賛の一枚でした。DARK TRANQUILLITYは全く期待を裏切りません。詩情に溢れる歌詞も痛ましい程の哀しさに満ちており,思わず熟読してしまいます。研ぎ澄まされたDARK TRANQUILLITYの魅力が存分に感じられる至高の作品と言えるでしょう。今年中の来日を予定しているとの情報もありますが,是非ともライヴに参戦して,この美しき咆哮を堪能したいものです。

 余談。本作の発売元はトゥルーパー・エンターテインメントという聞きなれない名前ですが,元トイズ・ファクトリーの方が設立した会社の様ですね。DARK TRANQUILLITY以外にもARCH ENEMYやEMPERORを擁しているとのことで今後の活躍に大いに期待をしたいと思います。
posted by 森山 樹 at 22:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 感想
この記事へのコメント
DARK TRANQUILLITYの新作、今回も良いアルバムで満喫しましたー。
このバンドにしか成し得ない哀しみに満ちた楽曲たちは本当に素晴らしい。
いつも通りのダートラ節が炸裂していて安心して聴くことができて嬉しかったです。

今こちらでトラックリストを見させていただいで気がついたのですが、自分が購入した外盤と日本盤では13曲目のボートラが異なっているんですね〜 
どんな感じの曲なのか、ちょっと気になります〜
Posted by tana-k at 2010年03月17日 08:02
>tana-kさん
相変わらず安定して高品質の作品作ってくれますよね。
すっかり安心のブランドといった印象です。
慟哭に満ちた異形の美がたまりません。

国内盤には#12と#13はJAPANESE BONUS TRACKSとなっていました。
不穏な雰囲気のスローな曲ですね。
正直なところ印象は薄いです。
つか,本篇が良すぎて翳っている感があります。
Posted by 森山 at 2010年03月17日 21:58
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