2009年09月13日

金剛九尾 / 陰陽座

〈2009年感想 7枚目〉
金剛九尾
金剛九尾
  • アーチスト: 陰陽座
  • 発売元: キングレコード
  • 価格: ¥ 3,000
  • 発売日: 2009/09/09

01. 貘
02. 蒼き独眼
03. 十六夜の雨
04. 小袖の手
05. 孔雀忍法帖
06. 挽歌
07. 相克
08. 慟哭
09. 組曲「九尾」〜玉藻前
10. 組曲「九尾」〜照魔鏡
11. 組曲「九尾」〜殺生石
12. 喰らいあう

 国産妖怪へヴィ・メタル・バンドの9thアルバム。陰陽座10周年の節目に「陰陽座の基本理念の真骨頂を魂で感じていただける会心のアルバム」と銘打たれた作品です。そして,斗羅が脱退して初めて制作されるアルバム作品でもあります。
 ここ数作は個人的に不満を感じることが多かった陰陽座の作品ですが,今回はかつての作品に比肩をするとは言わないまでも,それに限りなく近付いた感慨を抱きました。率直に言って,非常に好みです。黒猫の美しいVoが冴え渡る楽曲が多いのも特徴的。ここのところ,瞬火に押されていた感もありますが,やはり黒猫の力強さと儚さを兼ね備えたVoはたまりません。曲の配置も素敵。#01から#02への連携は『鳳翼麟瞳』の「焔之鳥」から「鳳翼天翔」への流れを思い出させます。多彩な印象の楽曲が散りばめられた配置も良い。ただ,前作『魑魅魍魎』で回帰が見受けられた妖怪性がまた薄まっている印象があるのは気になるところ。「蒼き独眼」「相克」「慟哭」と今回収録されたシングル曲の題材が軒並み妖怪以外のものということがその一因です。もっとも,陰陽座らしさは健在なので,それ程気にすることもないのかなとは思います。もう少し陰鬱でおどろおどろしさを感じる曲も欲しかったところではありますけれども。
 #05は久しぶりの正統派忍法帖。疾走感に溢れた純粋に格好いい曲。ライヴ映えしますね。力強い黒猫のVoに引き込まれます。哀愁漂う#03も黒猫のVoに聞き惚れる曲。この二曲に挟まれた#04はいささか印象が薄くなるのは否めませんが,この曲も決して悪くはありません。そして,今作の中心となるのはやはり#09〜#11に渡る組曲「九尾」でしょう。九尾の狐の伝承を歌い上げるに相応しい様々な側面をもった曲。特に#09は全編が美しいメロディに満ちています。今作で一番好きな曲と問われれば#05か#09を上げることになるでしょう。逆に#11はスラッシュ・メタル風の重厚な疾走感が魅力的。ライヴでの新たな定番曲となりそうな感じがします。#09と#11を繋ぐ#10は9分を超える大作。中盤で雰囲気が一変するのが面白いです。
 陰陽座の10周年を飾るに相応しい作品だと思います。これまでの10年を総括し,尚且つ,今後に期待を持たせる素晴らしい楽曲が揃っていました。今秋に予定されているライヴには不参戦の予定でしたが,この素敵な曲をライヴの場で一緒に楽しみたいという気持ちが湧いてくるのを感じます。
 余談。#01はこれまでの陰陽座らしからぬ曲ですが,冒頭の歌詞にこれまでの陰陽座のアルバムタイトルが全て織り込まれているのが印象的です。こういうお遊びが心憎いですね。
posted by 森山 樹 at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/32098417
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック